こんにちはHachiです。
みなさんはラーニングアジリティという言葉を聞いたことがあるでしょうか。直訳すると「学びの機敏性・敏捷性」という意味をもつ言葉で、VUCA時代に活躍するために必要な特性と言われています。
今回はラーニングアジリティを最初に提唱したコーンフェリーというコンサルティング会社のコンサルタントの方が書かれた「VUCA変化の時代を生き抜く7つの条件」やコーンフェリーの資料を読み、ラーニングアジリティについて学びを以下にまとめました。
Learning Agilityとは?
まずはラーニングアジリティの定義について、
Learningというと、資格の勉強や受験勉強など、「学問」や「知識」のようなものを想像してしまいがちですが、この場合の「学び」とは、実際のビジネスの最前線において事業の成功に必要なものを習得する(→そして次に活かしてゆく)ということを意味します。
また、Agility(アジリティ)は本来、「機敏性、敏捷性」といった意味を持つ単語です。Learning Agilityとして使われる場合には「環境変化に対する適応の機敏性」を意味します。
IT関連のプロジェクトなどに関わる方は、Agilityよりも「Agile」という言葉のほうが馴染みがあるかもしれませんね。AgilityはAgileの名詞形です!
すなわち、ラーニングアジリティとは、「日々変化するビジネスにおける環境から機敏に学び、その学びを活かして柔軟かつ即座に現場で適応し、それによってさらに学びを加速させていくことで、最終的に早期の成功に導くこと」です。
ただ「学んだ」、「習得した」というだけでなく、学びをもとに実行に移すこと、成功につなげることを含んでいるところが直訳とややGapのあるところです。
Learning Agilityを構成する要素
ラーニングアジリティを提唱したコーン・フェリーは、ラーニングアジリティは以下の5つの要素で構成されるとしています。
- メンタル・アジリティ
領域を越えて活動し、関連のない分野へも興味を示し、点在する課題を結び問題を解決する能力 - ピープル・アジリティ
他者をよく理解し、多様なグループに適応し、明敏な対人判断を下す能力 - チェンジ・アジリティ
現状に挑戦しようとする意思、システムや手続きを改善しようとする意欲、変化を実行に移す能力 - リザルト・アジリティ
すばやく優先順位を見出し、目標を設定し、好況時にも苦境時にも成果を出す能力 - セルフ・アウェアネス(自己認識)
フィードバックを受け容れる姿勢、自己反省の習慣、学習や自己啓発に対する強い関心
参照サイト(https://www.kornferry.com/content/dam/kornferry/docs/article-migration/SmartGrowth_Study_JPN_0.pdf)
「ラーニングアジリティ」のたった一言ですが、なかなか奥が深いですよね…。
なぜLearning Agilityが求められるようになってきているのか?
ラーニングアジリティが近年、特に求められるようになったのは、「VUCA」の時代と呼ばれる時代となってきたためと考えます。
VUCAとは、もともとアメリカの軍事用語として使われていた言葉で、V=Volatility(変動性)、U=Uncertainty(不確実性)、C=Complexity(複雑性)、A=Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字からなる言葉です。
最近はTVなどでも時折目にすることも増えてきましたが、「VUCA時代」とは「将来の予測が困難な不確実な時代」のことです。平たく言うと、「これまでとは全く異なる、想像もしていなかったような変化が次々に起こる時代」ということです。
VUCA以前の日本では、過去の成功に基づいた方法を継続すること、安定的な状況を保っていくこと、同質性の高い人材を採用・育成するなど、変化を避けることで事業を成功させることができました。一方、令和の世の中では世界中から変化が押し寄せ、変化に適応しなければ淘汰されてしまうという状況になってきています。
このような世の中でも事業を成功させ、個人としてもキャリアを築いていくために、ラーニングアジリティが必要と考えられるようになってきました。
Learning Agilityが強い人物の特徴とは?
ラーニングアジリティは性格特性・個性のひとつであり、そもそも持って生まれたものや、育ってきた環境に大きな影響を受けますが、一方で開発は可能であると考えられています。
- 好奇心が強い!
- 安定的な環境よりも、新しく、複雑で、あいまいな環境を好む
- 成功を継続させることよりも、挑戦することへの意欲が強い
- 簡単に達成できることよりも、少し難しい課題にわくわくする!
性格特性には正解はありませんし、簡単に変えられるものではありませんが、ラーニングアジリティの強い人物の特徴を理解し、自分と比べてみたり、取り入れられそうなものから少しずつチャレンジしたりしていきたいですね。
参考書籍
今回、ラーニングアジリティについてまとめるにあたり、世界最大規模の人事コンサルティング会社である「コーンフェリー」の以下の本を参考にしました。
ラーニングアジリティのみならず、人材育成について、組織の成長について非常にわかりやすく書かれているので、自分自身の能力開発に悩んでおられる方にもぜひおすすめの2冊です。
それでは、また次の記事でお会いできれば嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました☺
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